3ボルトハンドルクランプ』

 今回初期型三大特徴の最後『3ボルトハンドルクランプ』の項に入ります。

 基本車のベンリイにまだパイプハンドルの仕様車は無くプレスハンドル用のフロントフォークトップにパイプハンドルを受け入れる造作がなされます。 フォークトップブリッジにM8のボルト三本を受け入れる工作をしてアルミ一体成型のハンドルパイプホルダーが用いられました。上面から三本のボルトが見えるつくりから『3ボルトハンドルクランプ』と表現されています。

 「プレスのリーディングリンクフォークにパイプハンドルを装着できるよう」とのかなりの難題を抱えた設計者は苦労したと思われます。角度を変えたり、左右を反転するなどして多くのハンドル姿勢を可能にした設計でしたが別体で左右から差し込まれたハンドルを前方から夫々自転車のような方式で締め付ける方式であったためアサマレース型に代表されるようなアップのレーシングハンドルは受け入れられず直管でない限り一体ハンドルは装着不能でした。通常の使用でもクランプ能力は弱く少々力の入ったスポーツライディングには無理だったでしょう。初年度59年生産のかなり早いうちに、後の殆どの車体でおなじみの上下分割式でM6,M8ボルトが二本ずつ計四本見えるタイプに変わります。今日なら『R対象』と言っても良いくらいの危ない初期型だったのではないでしょうか?

 その際パイプの装着高さが2,3センチメートル高くなります。米国など海外の購買者の体格を考慮したものと思えます。59年アサマレースの北野選手他の車両では当然みな改良型が装着されていました。一方これと別に95と思われるHondaタンクバッジの車両でまだ初期3ボルトクランプ付きのものの画像もありますので管理人はタンクマークの次で右ヘッドカバーより前、初期百数十台のうちに変更されたのではないかと考えています。当方面識はありませんが埼玉の著名なコレクターのO氏所蔵車の一台にこの初期クランプが装着されています。モトハウスの峰岸さんも探して入手の叶わなかった車両だそうです。
2004.08.08 K
2017.02.24 画像追加
2021.11.26 :参考画像「恥ずかしながら本年4月に自製しましたクランプ画像を添付します。安全上保証できませんのでマネをされませんようお願いします。」



次回は『C70型テールレンズ


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