C70型テールレンズ』 

 先の項目で案内差し上げた初期型三大特徴の変更と同時期かそれに続いてエンジンクランクケースブリーザーの導入や前後ブレーキドラムの耐水構造の改善が行われます。 ‘60年式に入りごく初期(E#010077〜)にエンジンオイルポンプも性能を上げたCB92型に変更になっているようですがこれらは車両外観的に非常に差異のわかりにくい変更で当方管理人Kの身の回りには変更前型式に該当する現品や情報が限りなく少なく「今後の考察」と棚上げさせていただきます。

 ‘59年に市場導入のCB92には基本車C90,C95,C92に使用されたものと同様C70型のテールランプが装備されます。他の二輪車用テールランプ同様尾燈、番号票灯と制動灯を一体で兼ねた灯具でした。実質五年の限られた製造販売期間に以後二、三バージョンの形態の違うランプが現出し製造年別の特徴を為します。それらについてここから先の記載は管理人の想定、類推でありますことご留意ください。

 市場導入すぐさま対外輸出をもくろみ米国に持ち込まれたドリームC70(250)、ベンリイC90(125)シリーズですがすぐに現地の厳しい保安基準の適合を要求されます。当時もアメリカは世界で最も進んだ自動車産業と文化を持った国で保安基準灯火の規定はかなり早く連邦標準が定められています。C70型の番号票灯部分の白色レンズが後方から視認できるテールレンズは「バックアップランプ以外の後面白色灯具」で好ましくなかったでしょうし赤レンズ部の反射器面積も基準以下だったのではないでしょうか?すぐにこれらを改善したC71型灯具に変更します。これは国内向けパーツリストの記載では’60年式の生産に入ってすぐ#010079の車体番号からとなっています。そして反射器部分に関して最も権威あるSAE(Society of Automotive Engineers=自動車技術者協会)の認定に合致した物を装備したCB72(C2YB)型、所謂ロードパル型に後年変更装着して行ったのではないでしょうか?輸出バージョンのCB92でこのCB72(C2YB)型が装備されだしたのは「’62年式になってから」と英国の知人は区分しています。この時期以後国内向けも共通化したか或いは輸出バージョンを国内に出荷したかで国内版もこの灯具になったようです。尚添付画像でC71型までは同一のナンバーブラケットに装着使用可能ですがCB72(C2YB)型は独自の装着法で専用のブラケットになります。

 添付の画像には対米輸出仕様のCA71やCE71に装備された灯具も示しました。これは後の型式割付けでは255と基本車C71の253より後の印象の部品番号になりますが部品としての「開発順はC71型より先」と管理人は分析しています。過渡的な製品であり短期間で日本の運輸省の認定反射器RR26-3を備えたC71型に取って代わられたと思います。装着されたCE71現車や画像をしばしば目にし、輸出用C92パーツマニュアルにも記載がありますがことCB92でこの装着車を見たことがありません。これをCB92のテールレンズの考察に入れるのには幾分抵抗が有りましたが諸兄への参考とまた「情報をいただければ」との考えで掲載しました。

2004.08.21 K


次回は「'59年後期型」


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