『R フレーム ダスト シールド』

C92用と基本的に同じで何らスポーツ風情の無い右フレームダストシールドにもCB92用として2バージョンが存在します。

ロータリー変速の基本車C92にはC90-3841型の右フレームダストシールドが使われます。しかしスポーツ走行と海外輸出を考慮して当初からリターン変速設計のCB92ではクランクケース右上部にシフトドラムストッパー機構が突出しますのでケース上面のシフトドラム横位置ガイドスクリューの頭をかわして綺麗な曲面に作られていたC90用シールドのこの部分と干渉してしまいます。そのためその部位を切り欠いたCB92-3841型部品が初期から導入されすぐに共通部品化でC92もこのCB92 型ダストシールドに統一されていきます。 

セル付きC95のダウンサイジング版として59年春に売り出されたC92はC90/C95からの継承であるクランクシャフトブリーザー方式でした。極初期のCB92もこの方式だったようです。ケース内圧を外部に放出するのに理想的と判断されて導入されたこの方式も車体の走行姿勢によって時にオイルの吹き出しの不良があったようです。59年式の生産中期に複雑なオイルトラップ構造を持ったクランクケースブリーザー方式に基本車C92ともども変更になります。エンジン番号でCB92E-910447番からのようでしてこの限りは先と同じCB92 3841型の右フレームダストシールドです。

対米輸出が始まりベンリィや150ホンダ号が盛んに先方市場に導入され日本国内と違い高速での連続運転に供されるとオイル下がりの原因になるヘッドタペットチャンバーの内圧の高まりが問題とされだしたのではないでしょうか?CA95型の部品設計たるブリーザーニップル付きシリンダーヘッドカバーに変更になりエンジン全体の内圧はここから抜かれる設計で複雑なクランクケースブリーザーは廃止になります。ヘッドカバーから出たブリーザーチューブの端末はキャブレターの上部から左右シールド内を通りクランクケース後ろで車体、タイヤ中心をオフセットして右下向きに放出されます。この目的で右シールドの最後部は僅か切り欠かれたCB92-3841Bの部品番号のものに変更になります。これはCB92E型ではちょうど62年モデル#2100001番からになります。

『最後端が割れてしまっているのでは?』と疑問に思われたオーナーも安心あれ!まごうことなき正規品です。ただ前型式と比べてこれは驚くほど探しやすいです。

2005.12.28K
2010.1.04K一部訂正
2023.11.01 C90 3841画像更新


次回は『初期スワローハンドル』 


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