『右リーディングリンクフォーク』

 基本車C90のフロントサスペンション機構をそのまま取り入れCB92では8インチドラムハブ付き18インチホイールにしてスポーツユース化を図りました。元来ドラムパネルの無いハブ右側に速度計取り出しギヤハウジングを備えたパネルを設け左ブレーキパネル側より簡易なトルクアームを介してフェンダー右ステー三本をフローティングマウント型に巧みに支えます。この設計が欧州車などに先例のあったものなのでしょうか?NSUのスポーツマックスなどはどのようにしていたのでしょうか?管理人は今日まで詳細を知りません。
 巧みな設計でした。しかし16インチの基本車では現れなかったヨーイング現象が発生し軸剛性の低さを露呈したのではないでしょうか? 
 ’60年型になって早いうちに右リーディングリンクフォーク先端が同左側と同様のスリワリにクランプボルトの付いた形態になります。アクスルシャフトを左右両側でしっかりと固定し暴れやすいボトムリンクサスペンションをスタビライザー効果の高いものにしました。
両腕を伸ばし片側でなく左右の手でしっかりと前アクスルを握っている姿を想像してください。上図左から右側への改善になります。
 この機構、右フォークは後にそのままベース車のC92にも取りれられます。しかし社内外問わずそれ以上はあまり波及しませんでした。なぜならこの時代とその前後を含めCB92は他に類例のない非常に稀な、どちらかと言うと前時代的なボトムリンクフロントフォークを備えたスーパースポーツだったからです。

2004.10.3 K
2021・08・28 高画質画像に差替


 次回は『ドライブチェ−ンアジャスター


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