『初期スワローハンドル』

Yパーツといわれるレーシング部品のハンドルも含めて5種類以上が存在するステアリングハンドルパイプは文字通りライダーの手にするところで非常に馴染み深い割りに変更時期など不明確な点の多い部品のひとつです。

以前『3ボルトハンドルクランプ』の表題で記載させて頂きましたよう最初期型はプレスのボトムリンクフォークのトップに設けられたアルミ製の一体ハンドルクランプに別体のハンドルパイプを左右から夫々差し込んで固定していました。この固定法のものにそれより長尺なレーシングハンドルも存在したようです。ごく初期のCB95にこれの付いた画像がありますがダートというべき当時のレース環境には危なっかしく不向きだったでしょう。
クランプの改善に伴いレーシングハンドルもスタンダード部品と同じく左右一体のものになります。後に発行のパーツリストからこのクランプも別体ハンドルも一切の掲載が無くなります。変更時期も記載せず後の部品に統合するのは供給の停止のみならず回収も行ったかもしれません。掲載画像は最初期プロトモデルのもので曲げ角度などが違うかもしれません。
                                         画像サンプルパーツ提供:T.Kojimaさん

恐らく初年度59年生産の途中から安全な上下分割式で背の高い4本ボルトのハンドルクランプに変更になった後、左右一体のハンドルになりましてもスワローやロボットハンドルと呼ばれる溶接構造で鋭角に曲がったハンドルデザインは継承されます。これは後のアフターマーケットパーツに見られるような水平前方に突き出した形状でなく上方に立ち上がったデザインでした。クランプも背が高くなり初期と較べて乗車姿勢はかなりゆったりと立ち上がったものになったと思われます。当方の車輌に装備のアフターマーケットハンドルも比較のため掲載しました。

60年に少量販売?61年から本格的に売り出された250CCスーパースポーツCB72にはCB92型の手の混んだ溶接構造ハンドルと違いほぼストレートの『一文字ハンドル』が導入されます。素材費用はあまり変わらないでしょうが製造コスト面で遥かに安価にできたのではないでしょうか?程なくCB92にもこのハンドルが標準化されます。私見ですがどのハンドルよりもこの72の一文字ハンドルがCB92にはしっくり来ます。
伏姿勢気味になり小ぶりなCB92と人車一体感が強く感じられます。スピードが出ていなくとも軽いワインディングロードを流すと速度以上のスポーツ感が得られます。61年発売、CB92のライバルと云われながらしかし悲運の名車トーハツLD3の画像も参考に掲載しました。実にラインが似ていてそして魅力的です。




今回もまたその変更、導入時点がまったく明確にできない記載となってしまいました。メンバー諸兄からの指摘、提言をお願い致します。

2009.5.9K
2023.11.01「初期分割スワローハンドル」当時物パーツの実写画像に改めました。

次回は『リタンシフトリンク』


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