『‘59初期型』

 

1959年2月1日発売」と言われたCB92は同年6月のマン島TTレース以前にどれほどが国内販売されたのでしょうか? 同年7月号のMC誌『新型車試乗記』に「注文生産制であるためなかなか現物に接することができず、・・・」との記載があります。出版社と謂えども現車確認や試乗が困難な状況だったことが窺い知れます。第三回アサマレースの直前、7月に発表されて後に幻の市販車といわれた250ドリームスーパースポーツCR71の場合と同じ状況だったかもしれません。後者は本当に国内レースのホモロゲーション確保のための『市販』であって全国のホンダ系クラブマンチームへの貸与用車両のみの40〜60台の生産だったといわれています。それより先、同じく生産計画の無いまま発表のCB92はマン島TTでの125レーサーの活躍をうけ急遽同年夏に「ライン化した。」と考えてもおかしくはありません。2月から6月の1959年上半期にいくらも生産されていないでしょう。

添付の英文カタログからの画像が同年何月頃の撮影かわかりません。しかし当時撮影された個人ユーザーの車両で同形態のものが複数台数確認できますので実際の販売モデル『‘59初期型』と考えてよいと思えます。トップページの同車の右側画像も参照ください。


同年代の基本車C90、C92から引き継いだものも含めて主なその特徴を列記します。

@クランプボルトなし右リーディングリンクフォークA段付きスポークBアルミフロントフェンダーCブルー前後マッドフラップD3ボルト式背低ハンドルホルダー/左右分割ロボットハンドルEボールエンドなし左右ハンドルレバーF大型フレア付きホーンGアルミタンク(ニーラバー用フックなし)Hねじ込みベークライトタンクキャップIトランスファー(水貼り)ウイングマークJバンジョーユニオン使用グラスボウル燃料フィルターKアルミサイドカバーおよびサスブラケットカバーL肉厚セミロングシートMC70(250)型テールレンズN大型RサスカムストッパーO外側ガス穴付きRスイングフォークP肉抜き穴付き左右ドライブチェーンアジャスターQアルミリヤトルクロッドRシームレスマフラーSブリーザーなしシリンダヘッドカバー/同チューブ通路用切欠なし右フレームダストシールド 21クランプ固定右シリンダーヘッドサイドカバーキャップ 22Cサイズプラグ 23逆接続シフトペダルリンク

上記のうち@FJMOSは上出の同時代の基本車C90、C92の特徴を引き継いでいます。このうち案外知られていないのが基本車同様J燃料コックのフィルターボウルが内部の確認できる透明樹脂製だったことです。

尚『‘59初期型』の三大特徴は上記D、I、21の3ボルト式ハンドルホルダー、水貼りウイングマークとクランプキャップ付き右ヘッドサイドカバーといえます。

次回から数回は上記@から23番までの諸項目についてその詳細を追っていきましょう。

2004.7.11 K生
2021・08・28 高画質画像に差替


次回は『ウイングマーク』


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