『CB92プロトタイプ』

 1959年の3,4月号のO誌やMF誌にベンリイの浜松工場で撮影されたと思われるセルモーター付きスーパースポーツの画像が発表されます。
 前月までのセル無しC90ベースのCB90からがらりと変わって同時期導入の基本車C92同様、前年10月に市場導入された150ccC95のセル付きユニットがベースとされたようです。
ホンダの先見性を示す便利なセルですが軽量を旨とするスポーツ車に導入されたことが当時の二輪識者には非常に奇異に見えたようで『このような車になぜかセル付き!』と幾分揶揄された論評となります。

 さて今回取り上げました発表画像をなぜ「プロト」と分類するか、各所の特徴について列記します。
@後のマン島モデル同様装備のH型前後アルミリム。Aパイプ太さが14,5mmあるかと思われる太いフロントアルミフェンダーステーB速度計ケーブルガイド無しCステアリングロック非装備D径30mmはあるかと思われる黒いねじ込み式レバーボールエンドE左右別体ニーラバーF後タンクマウントが露出しサスブラケット周辺に補強の付いたシートGダンパー調節機能の無いリヤサスペンションH前後フェンダーマッドガード非装備I先端の幾分鋭いシームレスマフラーJ前傾(スラント)マウントキャブレターKフィニング無しヘッドサイドカバーキャップLロータリーシフトと思われるドラムストッパーの無いミッションケースMオフセットオイルフィルタークランクケースに装備のセルモーター等。

 スラントマウントキャブレターは後のマン島モデル(IoMモデル)にも継承され、上に記載しなかった背の低い3ボルトハンドルクランプやトランスファーのタンクマークは初期市販車にも使用されました。尚この車体の画像はCB90と違い色々な角度から10ショット近くあります。
 ここでまたマニアの諸氏にお問い合わせ。基本車C95に添付画像の車両と同じオフセットオイルフィルターバーションが存在したのでしょうか?同形態の当時の筆入り画像を見たことがありますが実在車かどうか知りません。
2004・06・19
2021・08・28高画質画像に差替


昨年11月24日C90さんから「初期数百台のC95はC90同様のオフセットオイルフィルターだった。」旨の案内を頂きました。当方も当時のパーツリストで確認ができました。有難うございました。
2010・01・02


次回はIoMモデル


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