『ドライブチェーンアジャスター』

 5年の生産期間中に製造法や素材が変わってもその部品番号に変更が無かった部品も数多く有ります。左右サイドカバーなど素材金属種が変更になっても、リヤフェンダーマッドガードなどは素材の色が変わっても同一の部品番号で継続します。最後期の差込フランジ式を除き初期、中期のマフラーはその製作法と構造が大きく違うのに同一部品番号の扱いです。

 今回取り上げた左右ドライブチェーンアジャスターは'60年の中ごろに径10mmほどの軽め穴が無くなります。「殆んど効果の無かった軽量化」と言うことで工程が省略されたのでしょうか?穴の有無に拘わらず部品番号は同一です。わずかなことですが初期型のスパルタンな雰囲気が薄れた印象が有ります。
当方が'79年にレストアのためにオーダーし入手したそれはたまたま初期の穴あきで92仲間から羨ましがられたものです。もっとも穴無しでもボール盤にくわえて10mmをもめば後は穴の内面の鍍金の有無だけが差になり再メッキに出せば同じものになります。
車体とエンジン関係ですので全く関係無くて単に時期的なものですが'60年後期のタコ取り出しシリンダーヘッドの導入直前にこの変更があったように思われます。

 こんな小さな、本当に小さな穴のことを気にするのをマニア(狂信者)と言うのでしょうか?(自戒)
2004.10.24K


次回は『タコ取り出しシリンダーヘッド』


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